heritage

上山口の諏訪神社社叢

山口/天然記念物

全国的にも珍しいシダレエノキの大木を有する上山口の諏訪神社社叢

この社叢の植生は特徴的で、岐阜県と長野県境という内陸寒冷地に位置するにもかかわらず、アラカシやサカキ等の暖帯性の樹木が生育しています。これは、この社叢が地下水の湧き出る場所にあるため、植物にとって大切な根の周りの温度が一定以下にならないためだと考えられています。また、植生ばかりでなく珍木である「シダレエノキ」が存在することもこの社叢の価値を高めています。
大正14年(1925)に、ここを訪れた松本女子師範学校の教諭が、この木を見て、「天下に類をみない珍種であり天然記念物に指定すべきである」と当時の内務省に申請したという逸話も残っています。ですがそんな価値の高い「シダレエノキ」も、地域の老人にとっては格好の遊び場だったそうです。