heritage

本尊十一面観世音菩薩像と三十三観音像

坂下/有形文化遺産

握観音堂横の29基の石仏と観音堂に安置された十一面観世音菩薩

かつて東向山光宗寺の観音堂にいずれも安置されていました。光宗寺は中世後期に創立された寺で、西芳寺が天正10年(1582)焼失した後、これをよく補佐して興したと伝承されています。

本尊十一面観世音菩薩は享保16年(1731)、下組庄屋吉村八郎右衛門朝貞の発願に田立禅東院の住職により開眼された巨像であることが記録に見えます。(一本彫)

三十三観音は下組庄屋吉村八郎右衛門多吉秋信らが先導者となり、寛保3年(1743)から造仏。明治初期にかけて補修、解体、修理されていたことが文献に残っています。観音講、月待講などによって保存、安置されています。

現在の観音堂は明治3年の廃仏毀釈令後に再建されたものです。石仏も並べ直されたものです。ここには29基の石仏が並べられ、中でも珍しい役の小角は、奈良時代の行者で山岳信仰修験の祖として仰がれる人です。